2009年6月の初め
今秋に解体される弥生小学校に入った。
2000人余りの死者を出した函館大火の教訓から鉄筋コンクリートで
昭和14年に建てられた小学校だ。
学校は今年3月末で閉校となった。
ひんやりとした空気に包まれた人気の無い空間だったが、
70年余の歴史の重みが辺りを支配していた。
階段。床。天井。柱。黒板。そのどれをとっても
大勢の子供達と先生方の息づかいが聞こえてくるようだった。
可能な限り復元すると話を聞いた。
使えるものは全て使うらしい。
時代とともに移り変わるもの、
いくら時代が変わろうと、決して変わらないもの。
変えなければならないもの、
変えてはならないもの・・・・。
色々と考えさせられた。
用務員室に入った。
そこにあった黒板には弥生小学校最後の日のスケジュールが
書き残されていた。
もう何も書かれる事のない黒板を見ていると
何故か胸がしめつけられる想いがした。
----------長い間ご苦労様でした。