バックナンバー 3(2003年年末号)
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風の色代表・山野久治が、あの、
『亀、もしくは…』で 2003 の掉尾を飾る!!

『これほどまでに再演を重ねられたのは、斉藤が書き加えたラスト数分の、世界への確かな意思表示が胸を打つからだ。同様に精神病院が舞台の演劇・映画「カッコ−の巣の上で」のように直接人間性解放をうたったものではない。だが、マイナス要素ばかりの末のプラスへの劇的転換は、混迷した社会にあって人生肯定の乾いたメッセージとして響くだろう。その意味では、ほとんど斉藤のオリジナル作品と言えるかもしれない』(北海道新聞 12月2日 ステージ欄)。
11月末の東京公演を皮切りに、12月4日から10日までの道内ツアー(朝日町、富良野、釧路、阿寒町)、そして、12月12日から17日までの札幌公演(シアターZOO)まで、1995年以来8年越しに再演を重ねる「亀」が帰って来た。
ハンガリーの劇作家・カリンティ・フリジェシュの、上演10数分の戯曲「亀もしくは居酒屋の中のきちがい」を、TPS チーフディレクター就任前の斉藤歩が、1995年に1時間程度の作品に脚色・演出して初演。以来、東京の国際舞台芸術フェスティバル出品など、確かな評価を得ながら、「亀」は熟成を重ねてきた。
今回は、昨年の斉藤オリジナル作品「冬のバイエル」に続く東京文学座との提携公演で、男4人の芝居を3チームの異なった俳優の組み合わせで楽しむことができるように構成されている。『自分を亀だと思っている患者がいる精神病院を舞台に、医学生と世界的権威の医学者、その弟子の看護師、「亀」の4人のやりとりを通して、正常と異常、舞台と客席の境界線の意味を問いかける芝居』(北海道新聞夕刊 11月26日 エンタテイメント蘭)。
初演から一貫してハドヴァ医師を演じ続けるわれらが山野の「円熟味が醸すおかしさ」(前述ステージ欄)に乞う御期待! 
■詳細の問い合わせは:北海道演劇財団(011-520-0710)